ガラスフィルム施工ガイド

ガラスフィルムを安心して施工依頼・業者探しができるようにするガイドブックです。

 
ガラスフィルムとは?
ガラスフィルム基本
貼るメリット
貼る方法
 
ガラスフィルムの種類
どんな種類?
防犯用
省エネ/日照調整用
地震対策用
紫外線防止用
防虫対策用
装飾/目隠し用
マジックミラー
 
施工前の準備
施工する窓を確認
業者を探す
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施工までの手順
施工対象を決める
見積もりを手配
業者の作業
施工後のご注意
 
 
 
 
どんなガラスフィルムの種類があるの?
 ガラスフィルムは紫外線カットと、ガラスの飛散防止をベース機能として、様々な機能を持った商品です。以下に代表的な機能をご説明させていただき、商品をご選定する際に、参考になればと思います。
 
 
防犯用
 防犯対策用のガラスフィルムは、通常のガラスフィルムよりも厚みを持たせた商品です。 ただ厚ければよいという訳ではなく、警察庁、国土交通省、経済産業省及び、関係する民間団体で構成される『防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議』による、防犯性能試験に合格したガラスフィルムが防犯対策用のガラスフィルムとなります。


防犯性能試験に合格する為には、打ち破りについて8回以上、こじ破り及び焼き破りについて5分以上の抵抗性能を示す必要があります。

付帯条件として
1.窓サッシには、サブロック付クレセントと補助錠を合計2箇所以上に取り付けてあり、かつ施錠されていること。
2.ウィンドウフィルムを貼付するガラスは、フロートガラス5mm以上の厚さのものとする。なお、複層ガラス等に使用する場合も、5mm以上の厚さのフロートガラスに貼付すること。
3.ウィンドウフィルムの貼付に用いる接着剤は、ウインドウフイルム工業会が指定するものとする。
4.上記のほか、施工・使用に関する条件については、ウインドウフィルム工業会が規定・推奨する基準によること。


最近では、CPマークを貼り付けるためには、上記付帯条件と共に、防犯フィルム施工技能者の認定を受けた施工者が、作業する必要があるようです。認定された防犯フィルムの中でも、フィルムを最大で40層も積層した薄膜積層構造のフィルムもあり、引き裂き強度と耐貫通性能の優れた防犯フィルムもございます。
 
 
省エネ・日照調整用
 省エネルギー対策の一つとして、窓ガラスから流入する熱量(主に日射熱)を抑えることがあげられます。ペリメーターゾーン(外周部もしくは境界部)は特に、ガラス開口部からの日射熱の影響を受け、室内の温度上昇の要因となることがあります。 そこで、ガラスフィルムを貼ることにより日射熱を反射、吸収、放熱することによって、室内へ流入する熱量を抑えることが出来ます。


 ガラスフィルム選定時には、遮蔽係数(日射熱の遮蔽効率)の数値が小さいほど日射熱を遮りますので、省エネルギー効果が高くなります。しかしながら、遮蔽係数の値が小さくなると、可視光線透過率(明るさの指標)が低くなる傾向があり、室内が暗く感じてしまうことがありますので、ガラスフィルム選定時にはご注意ください。

 可視光線透過率の低いガラスフィルムを選定いただきますと、朝日や西日による眩しさや、ぎらつきを抑える効果がございます。
 個人宅でご利用になる場合には、遮蔽係数と可視光線透過率のバランスの良いガラスフィルムをご選定ください。遮蔽係数0.50前後 可視光線透過率50%前後であれば暗くなりすぎず、省エネ効果も期待できます。


■省エネルギー効果の算出■
<<遮蔽係数と省エネルギー効果>>

例 :

窓ガラス:6mm厚透明ガラス(遮蔽係数=0.95)
省エネフィルム:シルバー15AR(遮蔽係数=0.24)


 74%の省エネルギー効果が期待できます。

省エネ・日照調整フィルムを網入りガラス、線入りガラス、複層ガラス(ペアガラス)等に貼り付ける際には、熱割れの可能性がございますので、事前に熱割れ計算することをお奨めいたします。
 
 
地震対策用
ガラスフィルムは基材がポリエステルで、その基材に粘着材を塗布した構成となっております。写真や映画などで戦時中、ガラスが割れても飛び散らないように補強の為にガムテープなどを貼り付けているのを観た事があると思いますが、ガムテープを更に高機能でより安全にしたのが、ガラスフィルムです。

ガラス飛散防止フィルムは日本工業規格の【JIS A 5759(建築窓ガラス用フィルム)】で定められております。

1ガラスの飛散を防止するために必要なフィルムの物理特性
 【JIS A 5759 6.4】

2窓枠に保持されているガラスの飛散を防止する性能
A:人やものがガラス面に衝突した場合の飛散防止性能 (ショットバック)
 【JIS A 5759 6.6.1】
B:地震などにより窓枠が変形して、ガラスが歪んだ場合の飛散防止性能(層間変位)
 【JIS A 5759 6.6.2】


 大きなガラスやガラスに厚みがある場合には、地震対策用のガラスフィルムとしてもフィルムの厚いもの、積層構造となっているガラスフィルムをご選定いただいた方がガラスが割れたときに、より安全ですのでお奨めです。
 
 
紫外線防止
紫外線には

UV−A(波長315nm〜400nm)

  UV−Aのほとんどが大気圏で吸収されず地表に到達します。曇りの日でも到達量が減少せず、 最も多い5月〜8月頃と最も少ない12月頃とではその量は2倍程度の違いしかありませんので、UV−Aは年間を通じてかなりの量が降り注いでいるということになります。 波長が長く、皮膚内に深く入り込む性質があり大量に浴びるとDNAに傷がつき、皮膚の老化を促して肌のシミ・たるみ・シワの原因にもなります。物質に吸収されにくい紫外線です。

UV−B(波長280nm〜315nm)

 UV−Bのほとんどは大気圏上のオゾン層に吸収され、一部分が地表に到達します。最近では、オゾン層の減少により地表への到達量が増えてきているとも言われています。4月頃から急激に増え始め5月〜8月がピークとなります。UV−Bの場合は、最も少ない12月頃と比べるとピーク時は5倍ほどに増えます。UV−Aよりも有害で、大量に浴びると免疫力の低下や皮膚ガン、白内障、翼状片の要因の一つとも考えられております。物質に吸収されやすい紫外線です。  しかし、人体でビタミンDを生成するためにはUV−Bを浴びる必要もあるため、一概に悪とは言い切れないようです。リクガメにとってもUV−Bを浴びることによりビタミンD3を生成し、立派な甲羅(燐酸カルシウム)を形成するためにもUV−Bが必要なようです。人体の場合1日に体の1部を15分程度浴びれば十分とされているので、過度の日光浴は悪影響を及ぼすと言われています。

UV−C(波長200nm〜280nm)
 UV−Cはもっとも有害な紫外線ではありますが、ほとんど大気圏上のオゾン層に吸収され、地表には到達しません。さらに物質に吸収されやすい紫外線です。


紫外線対策として、屋外に出ている場合にはUV−A、UV−Bともに、ばく露する可能性は非常に高くなります。よって、サングラスや帽子、日焼け止めクリームなどの対策が必要となります。さて、室内ではどうでしょうか?室内においてUV−A、UV−Bが侵入してくる場所として窓ガラスがほとんどではないでしょうか?UV−Bは物質に吸収されやすいので、ガラスにほとんど吸収されてしまいますが、UV−Aはほとんどが通過してしまいますので、室内への影響が考えられる紫外線はUV−Aとなります。(UV−Bの影響がゼロという訳でもございません) 

 ガラスフィルムはUV−BはもちろんUV−A領域内380nmまでの紫外線をカットしますので、畳や家具、フローリングの日焼けの要因の一つでもある紫外線をカットすることにより、劣化や日焼けを抑止します。物質に吸収されにくいUV−Aをガラスフィルムでカットすることにより、紫外線対策としてご利用いただいてはいかがでしょうか?
 
 
防虫対策
紫外線対策にて、ガラスフィルムは紫外線を99%以上カットすることはご説明させていただきました。防虫対策用のガラスフィルムは更に紫外線のカット率を高めた商品で、厳密に何%UPと記載することは難しいですが、ガラスフィルムは防虫対策用としての商品が個別にございます。

 昆虫は光源に向かって進む【走光性】という運動特性を持っています。多くの昆虫は、360nmの波長の紫外線領域をピークとして、300nm前後〜500nmの光に反応します。ガラスフィルムでは、380nm(UV−A領域)までの紫外線をカットしますので、多くの昆虫が好む走行領域をカットすることにより、昆虫が寄ってくるのを抑止します。薬剤等を使用しておりませんので、環境にもやさしい商品です。

 蚊は人が発する体温や、炭酸ガスの濃度変化を頼りに近づき、距離が近づくと炭酸ガスに加え乳酸の匂いを感知することにより寄ってきますので、このような性質の昆虫には今回のガラスフィルムでは効果がございません。

 室内の窓ガラスによってくる虫は、蛍光灯などから発生している紫外線によって集まって来ますので、窓際で防ぐにはガラスフィルムが有効です。発生源の蛍光灯から紫外線を発生しないようにするためには、低誘虫飛散防止蛍光管(ガラスフィルムを密着させた蛍光管です)による対策も考えられます。低誘虫飛散防止蛍光管はラピッドスタート式器具での使用と制限はございます。

  防虫用ガラスフィルムはHACCP方式にも対応しております。


※ HACCP方式とは、1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の手法。この方式は国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)の合同機関である食品規格(CODEX)委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。 HA(Hazard Analysis) 危害分析 CCP(Critical Control Point) 重要管理点
農林水産省HPより
 
 
装飾、目隠し用
装飾用としても様々なデザインのガラスフィルムがございます。型板ガラスのようになるタイプや、 グラデーション、ストライプ柄、ドットタイプ、パンチングタイプ、和紙の様な柄のタイプなど。 既存のガラスに模様替えの感覚で、お気に入りのデザインのガラスフィルムを貼ることが出来ますので、オフィスのパーテーションなどの目隠しや、雰囲気を変える場合などには良いのではないでしょうか?

 個人宅でも、新しくお家を建てるときには民法に決められている「境界線から1メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓または縁側(ベランダを含む)を設ける者は、目隠しを付けなければならない」と規定されており、この場合部材の指定はされておりませんが、ガラスフィルムによる対応も考えられるのではないでしょうか?

 同じような装飾、目隠し用のガラスフィルムでも、人影が見えやすかったり、ぼやけて見えたり種類によって変わってきますのでご検討される場合には、カタログなどでご確認されたほうが良いと思います。ここでの、目隠し用ガラスフィルムは室内外双方向から同じように見えなくなるタイプのガラスフィルムとなります。
 
 
マジックミラー
 皆様はマジックミラー(ハーフミラー)を実際に見たことはありますでしょうか?私はテレビや、映画の中で警察の取調べ室のシーンのときに、使われているのを観たことがあるだけで実際には見たことがございませんが、通常のガラスにガラスフィルムを貼ることにより、その効果を実感したことはございます。

マジックミラー(ハーフミラー)とはガラスにスズや銀などを塗り半透明の状態にし、光の反射率と透過率を通常のガラスから変えることによりマジックミラー(ハーフミラー)になります。反射率は30%以上、透過率が30%以下になればマジックミラー(ハーフミラー)の効果は得られるようです。ガラスフィルムでは反射率61%、透過率16%の商品があり、通常は日照調整や省エネなどに使われておりますが、その性質からマジックミラー(ハーフミラー)としての目隠しでご利用いただくことも出来ます。しかし、マジックミラーとしての効果を得る為にはガラスをはさんで(この場合は、室内と室外と想定します)室外が明るく、室内が暗いといった状況が必要です。同じ明るさの場合は、双方から見えてしまうことがございます。また、夜や、曇りの日で室内の照明を点けた場合には、見え方が逆転してしまい室内が鏡で、室外から見えてしまうことになります。よってそのような状況の場合には、雨戸を閉める、カーテンを閉めるなどをして対応することが必要となります。

マジックミラータイプのガラスフィルムを貼る場合には、省エネ、日照調整用フィルムと同様にガラスの熱割れの可能性もございますので、網入りガラス、線入りガラス、複層ガラス(ペアガラス)などのガラスにご検討の場合には、事前に熱割れ計算をしていただくことを、お奨めいたします。
 
 

ガラスフィルムとは? ガラスフィルムの種類 施工前の準備 施工までの手順
ガラスフィルム基本 どんな種類? 施工する窓を確認 施工対象を決める
貼るメリット 防犯用 業者を探す 見積もりを手配
貼る方法 省エネ/日照調整 業者に伝える情報 業者の作業
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